営業嫌いの営業トップが語る営業マインド
学校行かなくても予備校行かなくても国立大には行けることを証明した話。
8階のベランダからずっと地面を眺めていた話。
家人が40歳で初めて会社員になった話する。
家人はいわゆる夢追い人で、30手前までフラフラしていた。
文系国立大学院修士の時の食費が1万円だった話する?
文系大学院を辞めて就職したら意外と楽勝だった話。
ときどき、大学院の時の研究科の先輩のことを思い出す。
カズヤ先輩はある宗教を研究していて、助教で、アイドル好きだった。
将来の不安に備えてか、飲み会はいつも割り勘以下で、とにかく手持ちが少ないフリをして後輩に多く出させてた。
ところで、これを見てほしい。
4年前のデータで、特段新しくもないんだけど。
改めて文系の博士課程まで行った人の進路不詳さすごいwww
そもそもこの調査の取り方自体に問題があるとは思うのだけど。
というわけで、カズヤ先輩は助教の任期が満了した。更新はなかった。
40歳の時だった。
その後、カズヤ先輩は姿を消した。
みんな心配したけど、敢えて探さなかった。きっと故郷に帰ったんだよ、実家は確か農家だっけな、あの人あんな太ってんのに農作業できんのかね?(笑)なんて酒飲んで話したものだった。
そんな人はゴロゴロいて、それが文系大学院生の、文献系研究者を志す者の日常だった。
そんなことは置いといて、まぁおいらの話を聞いてくれよ。
博士課程に入ってからあまりにも食えなくて、奨学金の額が1,000万円プレイヤーを超えるんじゃないかって恐怖で。勉強そっちのけでアルバイトに精をだす日々。
アルバイトは不安定過ぎて、収入が月によって差があり過ぎて。
もうこんなのは嫌だって思って就職した。
30も手前だったので就活はまったく上手くいかなくて、飛び込んだ先は小企業。アホかっていうくらい営業電話をかけさせられて、声が枯れたものだった。もちろんそんなことは入る前には全く聞いてなかった。でもがむしゃらにやったら結果がついてきて、表彰も何回もされるようになった。
そんなこんなで、今はみなさんご存知の大企業で働いている。
そこでも表彰されちゃって。
こんなクソったれでこの結果ですよwww 人生楽勝じゃね??
そんなおいらが就職してわかったことを挙げていく。
1:ビジネスはゲームだ
はっきり言って、ビジネスってやつはゲームです。
一定のルールに従っていかに早く勝っていくか、それだけ。
ゲーム好きなあなたにはすごくおすすめ。
とにかくやたらみんな「ロジック」「ロジック」とか呪文を唱えるけど、そこは気にしないで。
俺TUEEEE できる方法を探せば大抵勝てます。
2:研究より全然楽
就職してからは割と22時を過ぎて帰ることも多かったんだけど、それでも研究するより正直楽。ただの体力的な問題だから。ウンウン悩まなくていいのだ。ある程度答えはあるし、結果ってのがすぐ出ることが多いから。わからなすぎて天井を見続けることはなくなる。
3:安定するってことは素敵だね
毎月決まったお金が手に入ります。
「やくそう」買い放題だね!
こんなこと信じられます?
ゼミの発表があるから、学会発表があるからってシフト減らして翌月の給料に愕然とする日々を送ることはない。手を抜いたって、よっぽどヘマしなきゃ辞めさせられることもない。こんな幸せってあるだろうか?
毎月定期収入があると、将来の計画が立てられるんですよ。だいたい毎月いくら貯金できるから、年間でいくらで、そのお金であれをして、これをしてってね。
もちろんちゃんと3食ご飯も食べられる。それもいっぱい食べられる。毎月の食費1万円だったあの時代におさらば。
そして家族や親戚、恋人友だち近所へのあの、罪悪感にも似たあの後ろめたい感情に悩まされなくなる。もう俺はちゃんと安定して働いてますよ。あなたたちのルールでしっかり生きてますよって言える。
4:金があるからできることが広がる
とにかく金がないけど時間だけあったあの頃は、フリーゲームに勤しんでいたけど、今はお金出してゲームができる。行きたいところに行ける。旅行も青春18切符を使って一日移動時間に使うこともない。浮いた時間で院生時代に考察したあんなことやこんなことの続きも考えられるし、ボーナスで年間の学費だって余裕で払えるから、研究したかったら研究したっていいんだぜ?
5 :自分が研究してきたことが世の中の役に立つ
はいこれ、重要です。
院生あるあるだけど、自分の研究してきたことを直接的に活かせる分野で就職したがる。いや待てそこにあなたの席は大体ない。
しかし待て、直接的に関連しなければあなたのしてきたことは無駄になるんだろうか?少なくとも、あなたという人が死ぬ気で考えてきたことはあなたの中に息づいていて、そのあなたが世の中に金という名の価値をビジネスで生み出せば、それはあなたが研究してきたことの成果の一つである。あなたの血となり肉となった研究を経て生まれた考えが、価値を生み出したのだから。
そしてそんなあなたの経歴が、あなたがしてきた学問の価値を高めるんです。「え、宗教学やってきた人ってこんなに面白いんだ!」とか「言語学出身の人ってもしかして使えるんじゃね?」とか。これはマジです。何回もその光景を見てきた。あなたがあなたの後輩たちの道を作っていくんです。それって立派な社会貢献ですね。それもすごい社会貢献です。
こんなわけでいいことばっかりなんです就職は。
何も怖くないですよ。ビジネス良いとこ一度はおいで。
...一つだけデメリットというか、おいらが陥ったトラップについては一応触れておく。
ビジネスというゲームに勤しんでいると、深く考えることが難しくなった。というか、考えないようにしていたら本当に考えられなくなった。ビジネスってやつはスピードもすごく大事なので、適応するためには深く考えることがおいらには難しかった。そのせいか、大学院生時代にあれだけ一所懸命考えたあのことや、うんうん唸りながら読んだあの本のことも、さっぱりわからなくなってしまった。
このトラップにはとても苦しめられていて、文章を上手く書くことができない。もちろん、ビジネスメールみたいなやつは書けるんだが、もっと根本的な、自分から湧き出るような文章を書くのは難しい。
こんな誰も読まないクソみたいな文章ですら、3日悩んでやっと形になったのだ。
これはおいらの限界だと思うから、人にもよると思う。できる人は全然出来ると思う。あと、職種にもよる。
これを読んで、「ケッ!やっぱビジネスなんかやってるやつはクソだな!俺は霞を食って生きてくんだ!」と思ったあなた。あなたはこちら側の人間ですよ。だって、本当に霞食って生きている人はこんなエントリに興味を持ちさえしないから。
騙されたと思って一度降りてきてくれよ。
頼むからさ。待ってるよ。