おちゃ的劇場型日記

社会不適合なのに元気な元文系大学院博士課程の現在・過去・未来。人によると波乱万丈らしい。

大抵の人がご存知のIT企業を退職しました

無職、無職だ。そこのけそこのけ無職が通る。

晴れて無職になったので、皆さんの投稿を「いいな〜」と指を加えて見ていた退職エントリってやつを、おいらも書いて見ようと思う。かなり長い自分語りになってしまったので、覚悟のある方だけどうぞ。

これまで

文系大学院博士課程を中退。カネになるような研究分野でもなかったので、その年の頃には会社を選べず、ひとまず小さい企業に飛び込んだのが数年前。入ったら営業祭りで営業で結果を常に出してなんとかやってきた。その後は、いろいろな仕事を任せてもらい、イベント企画設計やらマーケティングやら、WEB周りやら、エンジニアの方とお仕事する機会にも恵まれた。それこそ、管理職と管理部の仕事以外は全てやったと思う。

 

そんな中、退職して転職活動を始めた。軸は大手企業。

大きい会社だったらできることがあるのかな、そう思って活動したら、約2週間で内定まであっさり決まった。日本の結構な数の人が知っているIT企業の営業職。ただし、契約社員として。それが約2年前のことである。

 

正社員から契約になるってことで、交渉して給料は50万円年俸で上げてもらったので、参考になれば。あと、エージェントも使ったけど、結局行った企業はリクナビネクストからの応募でした。リクナビネクストの対象外年齢だったろうけど(笑) 

何をやったか

自社ツールの営業。全国津々浦々。新規とルート営業半々くらいだったかな。

まぁ、ひたすらに営業ですね。来る日も来る日も、営業。それが我々の仕事。

なにせ有名な大企業だから営業がめっちゃ楽で、ビビった記憶がある。

テレアポもガンガンアポ取れるし、まず話を聞いてくれるのが8割くらいいるのだ。すごい。ブランドや知名度ってものの強さをここにして体感しましたね。

 

仕事については、辛いとか苦しい、しんどすぎると思ったことは正直、ない。

職場環境も恵まれていたし、残業を強制されたりとか、変な社訓読まされたりとか、一切なかった(むしろ残業し過ぎで怒られてた…上司すまぬ)。

むしろ、周りの人がちょっとしたことで体調を壊してしまうのを不思議な気持ちで見ていた。

タフでなければ、生きていけない。優しくなれなければ、生きている資格がない。 

 ―フィリップ・マーロウ

 

しかも、一社目のときによくあった、「テメー海とも山ともつかないような企業なんだから、まけろや!」とか「あれとこれとこれもセットにしてくれなきゃ、買わねぇ!」なんてのを呑む必要もなく、「じゃ、御社とは取引しません」というのがふつーに出来る。それでももっと売れるのだ。その凄さを学んだ。

 

もう一つ学んだのは、自分の営業スタイルはキャラ営業だってことと、「お願い営業」がフィットするタイプということ。一社目では「お願い営業」なんてしたことがなかったのだけど、見事にお願いグセが付いてしまった。慣れって恐ろしい。

 (※お願い営業…「これ◯件入れてください、お願いしますよ〜」といった感じの営業手法。一社目の頃はこの売り方が嫌いだったのだが…)

 

新規営業に関しては、割りと象徴的な数社を見事、不屈の闘志のもと勝ち取ることができて(これはお願い営業ではなかった、念のため。お願い営業はルート営業で力を発揮する)、営業成績も結果的にトップになった。

 

それでやりきった、というのが一番最初の転職理由。

不屈の闘志と書いたが、まぁその数社のうち何社かは提案が本当に大変で、脳みそ搾り切って資料作っていたし、プレゼンの前は睡眠時間数時間とかというのもあった。何回断られても次回につなげ、なんとか関係を築いてきた上での受注だった。お疲れ、俺。

まぁ、燃え尽きもあるのかもしれないですね。

営業はセルフモチベートが大事ってマネージャーは言っていたけど、そうなんでしょうね。(でも、モチベーション上げるのもマネージャーの仕事だと思うけれどね…)

 

2番目の転職理由は、営業やりきったからやりたいことがしたい!という強い思いだった。

前にも何回か書いているとおり、家人が会社員になって収入が安定したのが40歳過ぎてからだったので、それまで家計を割りと自分が支えているところがあったのだが、もう今は家人のほうが年収が高いので、少し「やりたいこと」にシフトした生き方をしたいと思ったのだ。

 

そして3番目。

ochatheater.hatenablog.com

である。

全てのものをなぎ倒して行ってしまった。

でも、後悔はしていない。

 

3つの理由を上げたけれど、根底には「社風というか、文化と合わない」という、根本的な問題があって、辞めてもいいかなとずっと何回も考えていたのだ。それを今回実行に移せたのが1〜3までの理由。

 

大手企業だからかよくわからないが、基本的には仕事ができる人が集まった会社だと思う。だから仕事が早いし、人のは手伝ったりせず自分のことをやったらすぐ帰る。みんな、「アフター7は映画!・合コン!・エステ!・ジム!」という女子や、「よし、これから出会い系の子と会ってくる!とか、ナンパしてくる!」とかそんな男子が集まる、キラキラ系の会社。

話題も、だいたい「彼氏彼女・妻・家・車・子供・お小遣いの少なさ・下ネタ」と人の噂や悪口やデマ、徒党組みあたりがデフォルト。

 

一方、おいらは非リアで結婚しているが子供はいないし、家も車も持っていない。下ネタを会社で言う人は好きじゃない。人の悪口や噂話、派閥なんかもっと嫌いだった。

表面上は会話に合わせることができるけれど、本当に腹を割って話せたのって、2年のうちで一人だけに一度、あったくらいだろうか。

(一社目で上のような話をしたのって、数えるくらいしかない。誰かが困れば、誰か助ける。そんな会社だったので、同僚ってやつはホント、大事なんですよね。でも選べないんですよね。辛いね。)

 

最低限の仕事しかしないというのは、別にそれでいいのだけれど、その分そういう人に割り当てられない仕事が自分に降ってくる。おいらはそういうのでも楽しくやれるタイプだからいいけれど(Mr.ポジティブ)。

働き方改革でこのあたりどうなるんでしょうね。

 

皆、仕事が好きではなくて、最低限のことをしてお金をもらう。そんな風に仕事を捉えていた。

おいらはというと、基本仕事好き人間なので、まぁそりゃ、浮くわな。

別にあなた達が仕事が嫌いなのはわかっているけど、それをおいらに押し付けないで。

(逆もまた、然り)

 

皆とても付き合いやすい、いい人たちなのだ。上の言うことは素直に従うし、しっかり結果を出そうとする。表面上はだいたいは仕事がしやすいように付き合ってくれる。だから、楽だったし、数名を除けばめんどくさい人もいなかった。

 

でも。志を持った人とお話する機会はついぞなかった。もし一人でもそういう人がいたら、まだ辞めていなかったかもしれないな。 

 

一社目でも、結局は自分と考えが近い方が相次いで退職したのがきっかけで辞めてるから、結局人とかビジョンで動くタイプなんでしょうね。

 

あと、事業会社のため、営業は本当に末端という扱いであったこと。

企画側は神のような存在で、そこから降りてきたものをただひたすら、売る。

手駒、である。

 

じゃあ、社内で異動すりゃよかったじゃん、営業職以外で、って言われたけど、他の部署でやっていることで面白そうってものが「一つも」なかってん。ごめんな。これは皆には言えへんかったよ。

 

大企業で働くということ

この前、大企業で働いてやめた人の退職エントリが少し話題になっていたけれど。

おいらは基本的に、大企業で働くとすごい楽だってことはお伝えしておきたい。

職場環境や福利厚生もしっかりしているし、来る人も選抜されているので、そこまで変な人は1%くらいしか入ってこない。

会社の体力があるから無茶な要求もつっぱねられる。売掛の回収が遅れても会社は傾かない。黒字部門があるから色んな投資ができる。営業もクソ楽。 

いわゆる社会的信用ってのもある。「えー◯◯で働いてるのー?!すごーい」

 

ただ、最初に大企業に入っちゃうと、そこから中小に行くのはたぶんキツイだろうな。スタートアップとかめっちゃベンチャーならいいかもしれないけど。おいらのように中小→大企業ならアリ。

 

この会社に入って後悔したことは1回しかない。

契約社員をバカにされた時。それだけ。

あとは感謝している。

 

一社目で、マーケティングや企画側とエンジニアとの仕事をゼロイチから作るという会社としても自分としても初めての試みをやって、相当たくさん失敗をした。

特にシステム開発では痛い目を見て、すぐ直せる代物ではないので、本当に倒れるかと思ったときもあった。それでメンタルがズタボロになって、自分の自信を完全に喪失していたから、全国から選ばれた営業の猛者が多数いる会社でトップになってMVPになったことで、自信を取り戻すことができたこと、「意外と自分ってくっそ頑張ったらなんとかなってるからほかもいけるんちゃう?」と思えたことは、本当に本当に感謝している。

 

これから

全く次が決まっていなくて就活もろくにしていないのに退職させてくれた家人には本当に頭が上がらない(けど、「無職がスタバに行くなんて図が高いんじゃー」とか罵られてますが)ので、必死で家事をやっているおいらですが、今んとこ本当に何にも決まってません。

 

ただ、売ることはもうやってきたので、作ることがしたくて。

作る仕事に就きたくて。

 

コンテンツビジネスに関われる仕事…。

まぁ、アラフォーで未経験だし、こんな面接結果なんで、ダメダメだけどな!

 

誰か作る系の面接のコツおせーてください。

手応えがまるでないんや…。面接とかの前に、企画を良い形にしないとダメなのだけれどね。でも何話しゃ正解なのかがまるでわからん。

生活が困窮したら、営業に戻ります…でもそれまでは、あがきます。

 

これから退職する君へ

人生は一度きり。全ては君次第。

自分が何に我慢できて何がどうしても嫌なのか、見定めたほうがいい。

よくある転職エージェントが裏で書いてるような記事を鵜呑みにしないで。

 

状況によって考えも感じ方も変わるから、その時その時でベストを考える。

そうして踏ん張ってたら、きっといい方向に進む。

そう信じて進むしかない。

 

自分もアラフォー未経験就職というでっかい荒波に飛び込むから不安しかない。

貯金もなくなるだろうな…。家人には毎日詰められてるし。

お互い頑張ろう。