おちゃ的劇場型日記

社会不適合なのに元気な元文系大学院博士課程の現在・過去・未来。人によると波乱万丈らしい。

営業嫌いの営業トップが語る営業マインド

おいらは営業が大嫌いだ。
そもそも物なんてものは自然に買われるように/使われるようにもっていくべし、という考えがある。
でも、最初に入った企業は小企業で、なおかつ営業会社だった。
入社時は「営業はちょっとやってもらいます〜」なんて言われていたのに、入ったらテレアポ1日100件弱の世界だった。
生きていくために嫌々ながら、必死で営業していた記憶がある。
嫌々だったからか、テレアポで全くアポが取れない。アポ取得率1%以下。ガンガンアポを取っていく同期を尻目に、ダントツ最下位だった。
 
なんでそんなに営業が嫌だったかというと、
(1)欲しくないものを押し売っている気がする
(2)一つで十分なものを、2個3個と余剰に買わせる
(3)売っている商品がとても勧められたものではない
(4)その企業が持っている大事な資産を削ってものを買ってもらうということへの罪悪感
(5)正直しんどい
というところが大きかったと思う。
 
どれも連携しているところがあるけれど、特に(3)は、売っている商品が効果がほとんどでないと知っているとき、
売るのは非常に苦しい業務となる。それでも自分のおまんま、会社の利益のために売るしかないのだ。
で、そんな商品を(2)何個も買ってもらう。(1)ほしくなかったものを欲しくさせて。(4)会社の資産を削って、という連関構造である。
そしてなんかよくわからんが、肩書がついたやつにやたら詰められたりするのである。やってられねー。
は?じゃあお前がやれよ??いいよ代わってやんよ??である。
そんな仕事に誇りを持てって言われてもおいらにはとても無理であった。
 
これが、内容提案型、コンペ型だったらもうちょっと中身のある営業ができるんだろうけど、おいらの入った会社は、商品売り切り型のサービスが主だったので、さらにキツかった。
 
でも、テレアポダントツ最下位のおいらでも、結局1年目でトップ営業になることになる。
 
今いる会社でも営業をやっているが、日本国民の7割くらいは知っている大企業なので、売るのは相当楽だ。
それでも、(1)、(2)とか(4)はついて回る。枠売り型の営業なので、特に(2)は相当ある。
そしてもちろん、(5)である。
 
でも、ここでも営業トップになるのであった。
そんなおいらが大事にしている営業マインドがあるので、営業嫌いのあなたに紹介したい。
 
■1■ 営業は「ゲームに対するコミット力」が大事である。
 

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ジュディは正義。
 
このマインドは非常に重要で、あまり深い意味を考えてはいけない。
決められた期間の中で、より高く数値を出すゲームである。
それが目標を達していることは最低到達点で、メンバーの中で一番得点を取っていることが非常に望ましい。
 
そこで重要なのは、様々なテクニックがあって、たくさん本も出ているけれど、大事なのは「ゲームに対するコミット力」であるとおいらは思う。
 
だれでも、大変なゲームだと投げ出してしまうところがあるけれど、それを最後まで到達させることができるか、というところが非常に重要である。
 
おいらは、ワゴンセールで390円で投げ売りされていた伝説のク◯ゲーである「アンリミテッド:サガ」を全主人公でクリアした逸材である。
必ず最後の主人公までクリアする、このマインドが非常に重要なのである(いやほんとに、マジなんです)。
 
ゲームをどのように進めるかは自由だし、例えばすんごいチートしたり、レベルアップ頑張ったり、最短距離でゴールを目指したり。
その方法はあなたに委ねられている。自由なゲームなのだ。
ただし、期間が決まっている。そこが重要なのである。それを守りつつ高得点を出すのにはどうしたらいいか、それを考えることが重要である。
 
 
■2■ アポの前に「ガラスの仮面」を被る。
 

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営業先の担当者は、あなたの「本当の姿」なんて知りたくないのだ。
まず、担当者を引き込む演技力、それが非常に重要である。
部屋に通されたら、席の位置を確認しどれくらいの声が適切か図る。
担当者が来たら、最初の名刺交換やアイスブレイクで好みを瞬時に見極め、その担当者が好むキャラを演じきるのだ。
 
おいらの場合はたいてい、「お笑い芸人キャラ」がフィットするので、それで7割型押し切るが、データ系タイプが出てきたときに酷いことになるので、そのときはデータで攻める。
ビジネスで言うところの論理性ってやつを大事にするのだ。
データ系タイプはだいたいアイスブレイクでもカタカナ語やKPIとかの単語をガンガン言ってくるので、すぐわかるはずである。
 
■3■ アポは「スポーツ」である。
 
アポでは打ち返された球を絶対落とさない。これが重要である。
それは会話のラリーなのか、データを返すのが、切り返しトークをうまく当て込むのか、それは打ち返された球がどんな球なのかによって変わるが、それを瞬時に見極めてうまくスマッシュを叩き込む。
これを意識すると、だいたいスマッシュを2,3個打ち込めば相手が負けたことがわかるはずである。
そうなれば、クロージングは近い。
 
ちなみに、おいらは運動は全くできない。
まず、逆上がりすらできない。二重跳びもできない。それでも、アポはわりかし得意である。
だから運動ができる人はもっとできるんだろうなーと思う。
 
■4■ 「担当者に気に入られること」が非常に重要である。
 
おいらにとっては、割かしここが一番重要なポイントなのではないかと思っている。
商品が良いものでなくても、あなたの演技が心をつかめば、相手は大体あなたのことを好きになってくれる。
そうすると、上に話を通してくれて受注となる。その労力をかけさせられるくらい相手に好かれているかどうかがキーとなる。
 
別に明るくて楽しい人だけが好かれるわけでもない。
相手に好かれるにはどうしたらいいか、それを考えることが重要である。
もともと商品スペックが高けりゃその説明をうまくできるようにすりゃいいし、明るいキャラが演じにくいなら、めっちゃめちゃ調べ物をしてその会社に詳しくなるとか、業界に詳しくなるとか。完璧とも言えるロジックを組むとか。データだけでは誰にも負けないとか。めちゃめちゃ細かくフォローするとか。
なんでもやりようによっては得意なフィールドを作ることができるのだ。
広い営業界でみると大したことないかもしれないが、その担当者にとっての一番にはなることができるはず。
 
■5■ といっても、死ぬわけではない。
 
これも大事なマインドだが、会社に雇われている以上、結果が出なくても死ぬこたぁない。
給料ももらえるし、そこそこでもいいんだよっていう。
切り替えが大事である。
 
今日の演技、いまいちはまらなかったな〜次はこうしよう、これくらいでいいのである。
 
■6■ でも、ゲームで一番を取ると、めちゃめちゃスカッとする。
 
これに尽きる。
 
 
 
以上がおいらのテキトー営業マインドである。
細かいことは、巷の営業本を何冊か読めば補えると思うけど、上記はどれも重要だなーと日々思っている。
 
最後に。
営業嫌いのおいらだが営業は重要だとは認識している。
 
使ってみたらその商品やサービスが意外とハマって、その会社の業績が伸びたりってことが往々にしてあるからだ。
もちろん、自分の在籍している会社も営業によって利益が出るため、お給料も上がっていくし、ボーナスも出るし、すごくいい。
だから、自社のサービスを使ったらその会社がハッピーになるところに営業に行くといいね。
え?当たり前だって?すんません。でも改めて、これは大事です。
自分が嫌々やったことが喜ばれるってのはなんだか不思議な気分だけど。
 
そして、一番重要なことは、営業をやってると、どこに行ってもその経験が結構役に立つようになる。
フリーランスになっても、営業は切り離せないと思うし。
何かサービスを作る側になったとしても、営業していた視点というのは重要だから。
なので、自分のスキルアップのためにも、営業ちょっとやってみてください。
 
でも、おいらは未だに営業が大嫌いである。